科学と心理 2
STSの主題は科学史あるいは平行関係にある経済史・社会史において、十分にはっきりと確立された訳ではありません。
実際、高級な科学論に学問の世界での位置を与えようと言う努力は、科学教育における同種のテーマに対する運動と関連しています。
そ・・・れにも関わらず、STS研究の歴史的方法には、計り知れない教育上の利点があります。
既に述べたように、長命ではありますが時と共に大きく変化する社会の制度としての科学の歴史が、伝えられるべき「メッセージ」の主要部分です。
そのより原初的形態での制度、概念、経験、物質的資源を眺めるほうが、高度に洗練された現代的形態を眺めるより容易にこれらを理解できるでしょう。
ですから、例えば学会とその学術的刊行物の基本的目的と機能は、商業化され、官僚的に組織された今日の学会活動よりも、王立協会(ロイヤル・ソサエティ)とその刊行物『フィロンフィカル・トランズアクションズ』によりはっきりあらわれています。
現代の関心事からあまりにもかけはなれているため、ガリレオ裁判は、批判的科学と正統的権威との間の相克を、例えばオッペンハイマー事件やルイセンコ事件の研究よりはるかにはっきりと示してくれます。
空想を許す距離は劇的な力を加えます。