海の境界線 3
数か月後の1969年末、北海で初めての油井が発見されました。
同時に、いくつかの井戸が掘られていたのですが、すべて空であったため、ここには石油など全然ないのではないか、という見方が大勢を占め始めていた時でした。
しかし、ノルウェー南方にあるエコフィスクという海域から、水深200メートルの地点で、信じられないような量の石油が出てきたのでした。
その後、毎月ほぼ1回のペースで、続々と新しい発見が重なるようになってからは、事態は急速に進行しました。
さいわいなことに、すべての境界線は、各国間で決着済でした。
もし北海周辺の国々が、石油のことを前もって知っており、富の分割を議論したとなると、ここにいたるまでには、はるかに長い時間を要したでしょう。
海洋法をめぐる事態は、しかしながら、けっして楽観できませんでした。
1970年代初頭のエネルギー(石油)危機は、それまでの安価な石油の時代を追いやってしまいました。
1バレル当たり1ドル以下だった価格が、10ドルにはね上がり、のちに20倍以上になってしまったのです。
結果として、海上油井の探求は、それまでになかったほど重要になりました。
沿岸諸国は、めぐり合わせがよければ、彼らの大陸棚が、金脈に匹敵するような価値があることに気づき始めました。